どしゃ降りの祝日の午前はカクテルを
最近、小説をぜんぜん読まなくなった。
30前の頃は、ほぼ毎日読んでいたけれど、最近、仕事があるし、読む時間をつくりにくい。
時間があっても、ゆったりと小説をじっくり読むという心になかなかなりにくいので、見ていたとしても楽しく感じられない。
だけれど、かなりはまる小説に何年ぶりかにに出会いたい。
村上春樹さんや村上龍さんの小説がかなり好きだから、二人が新人賞をとった群像文学新人賞が私の好みのものがあるかと思って読んでみることが多いが、二人のようにがつんとくるものはなかなかない。
しかし、次の世代の光っている若手がいないかと気にかかるからまた読んでみたい。
しかし、純文学だからと無理に難しい言葉を並べているけれど中身が伝わりにくいものも多いから残念だ。
ノリノリで自転車をこぐ兄弟と突風
作家の江國香織の作品に出る女性陣は、どこかクレイジーである。
話に出せば、落下する夕方の華子。
他にも、がらくたの柊子。
それと、ウエハースの椅子の女性画家など。
江國香織の持っている部分を、文章にして表現した形かもしれない。
最高にクレイジーなのが、「神様のボート」で登場する葉子。
もしかすると迎えに来る可能性もあるあのひとを待ち、たくさんの場所に引っ越しをする。
恋人を絶対に忘れないよう、絶対会えると信じて。
しまいにママは現実を生きていないと愛娘に言われてしまうが、この女性には全く響かない。
というのが、この文庫本の究極にクレイジーな見せ場だ。
個人的には、ウエハースの椅子にはあまり座れないけれど神様のボートには乗ってもいい。
江國香織さんの書く、クレイジーだけど可愛くてちょっと弱々しい主人公が大大大好きだ。